英単語の効果的な調べ方【英英辞典と語源】

Kui です。

今回は英語の学習方法、特に単語の調べ方について、意識したほうがといいな と思うことを書いていきます。

外国語を勉強していて、わからない単語に出くわすと、そのたびに辞書を引いて意味を探すのが面倒くさいと感じたり、以前に1度調べたことがある単語のはずなのに、別の文で出てくると全くうまく訳せなくて何度も何度も同じ単語を辞書で調べることになったり・・・といった経験があるのではないでしょうか。

こういう悩みを少しでも解消するためには「単語と一度よく向き合ってみる」ということが必要だと思います。

単語と向き合うことによって、単語の「コア(核心)」が見えてくることがあります。これが見えると、単語の正体がわかり、頭の中ではっきりとその単語の意味がわかるようになると思います。(訳せるかどうかは、また別の技術も必要だと思います。)

単語と向き合う方法として、この記事では「英英辞典を引くこと」と「語源を調べること」を提案します。

単語学習でお悩みの方は、少しご覧になってみてください。

この記事には以下のことが書かれています。

  • よくやる単語の調べ方は【イマイチ】
  • 単語の「意味」とは何か
  • 英英辞典が良い理由
  • 語源も役に立つ理由

単語の一般的な調べ方について

通常、私たちが外国語を学んでいて「この単語はどういう意味なんだろう?」と思ったら、こんな手順で解決することが多いと思います。

まず、辞書などを引くと思います。(紙、電子辞書、インターネットなど何を使うかは人それぞれ)

例: I’m anxious about the results of the test. の “anxious” がわからない!、とします。

そして、辞書やサイトには、調べた単語に対して当てはまる日本語訳が(いくつか)載っています。

anxious と辞書で引くと「心配している」「切望する」などという意味が載っているなあ。

辞書の訳語を見て、今自分が遭遇している文章に合いそうな訳語をピックアップして、それを当てはめるようにして、意味を把握します。

ああ、この文には「心配している」という意味がぴったり当てはまりそうだなあ。

こんなやり方が一般的ではないでしょうか。

また、英単語を覚える方法でも、単語帳や単語カードなどで、come は「来る」 go は「行く」といった感じで、外国語の単語と日本語の訳語を1対1の対応関係で覚えるというものがありますよね。

一度にたくさんの単語を覚えなければならない状況では仕方がないと思いますが、このような単語の調べ方・学習方法には、以下のデメリットがあります。

  • 外国語の単語は、必ず日本語のある単語と「イコール関係」にあると思い込んでしまう
  • 単語の本質的なコアの意味がわからない

こうしたデメリットが、結果的に、「逐語訳」しかできなくなったり、「誤訳」してしまったりする可能性につながってしまうと思います。

これらのデメリットについて、掘り下げていきたいと思います。

単語の意味=日本語訳ではない

先ほどの例で、anxious は辞書で見ると「心配している」「切望する」という意味が載っていた、とありました。

I’m anxious about the results of the test. という文の場合には確かに「テストの結果が心配である」という意味が見て取れます。

また次の例ではどうでしょうか。

I’m very anxious for my son to succeed.

これは「息子にどうしても成功してほしい」と「切望している」という意味が見て取れるかと思います。

「心配である」と「切望している」は、日本語では全く別の意味に思えるのですが、いかがでしょうか。

日本語では互いに関係なさそうな、この2つの意味を持った「1つの」英単語が anxious なのです。

どういうことかというと、日本語の単語と英語の単語では守備範囲が異なるということです。

例えば日本語の「ゆるい」という言葉は以下のように使われます。

  • ゆるいズボン
  • ゆるいカーブ

これを英語にしたらこんな感じになると思います。

  • loose trousers
  • a gentle curve

「1つ」の日本語の単語「ゆるい」に対応する英単語が2つ出てきました。

日本語の「ゆるい」は何かしらの「余裕、余地がある」というニュアンスを指す言葉であり、衣服が大きくて体にぴったり合わない状態を「ゆるい」と表現することができ、またカーブが大きい状態を「ゆるい」と表現することもできます。

英語には「服が大きくてサイズが合わない状態」と「カーブが大きい状態」を日本語と同じように1つの単語で表すことができません。

「服がゆるい」という場合には「ぴったりフィットしない」というニュアンスの loose が使われます。

一方「カーブがゆるい」という場合には「おだやか」というニュアンスの gentle が使われます。

英語には日本語の「ゆるい」とイコール関係で結べる単語がない ということです。

これが「単語の守備範囲が異なる」という意味です。

なので「この英単語は日本語で~という意味だ」という感じで覚えていくのは実は危険な可能性があります。

簡単な例ですが、超基本単語 come は、通常日本語で「来る」と覚えるかと思いますが、次の場合はどうでしょうか。

I’m coming now.

自分を待っている相手に、この言葉を言ったとすると「今来るよ」と訳したら不自然だと思います。(そもそも日本語としても不自然な感じですね。)

これは「今行くよ」と訳すのが自然だと思います。

こんな風に、通常「来る」と覚える come は「行く」と訳したほうがいい場面があるのです。

そのため、ある単語の日本語訳を1つ知っているだけではその単語の「意味を理解している」ということができないということです。

では、単語の意味はどのように理解していけばよいのでしょうか。

単語の本質的なコアの意味を追究する

先ほどの come は簡単な例ですし、なんとなく感覚で「行く」というふうに訳すことができると思いますが、あまりなじみのない単語だとうまくいかない可能性が高くなります。

anxious の「心配している」という意味だけを覚えている学習者が、I’m very anxious for my son to succeed. という文に出くわした場合はどうなるでしょうか。

わたしはわたしの息子が成功することを心配している…ん?

なんか変だなと思えたら辞書を引くと思います。(これでいいと思ってしまったらそこまでです・・・)

anxious、anxious…お、「切望している」という意味がある。これか!

となって、文の意味がその場では理解できるでしょう。

ですが、これだと anxious という単語に出くわすたびに「これは”心配している”というほうの意味だ」「こっちは”切望している”という意味かな」などと、どの日本語訳が当てはまるかという思考を毎回することになります。

また、自分が覚えている日本語訳をすべて当てはめてもうまくいかない場合は、結局また辞書を見に行かなければならなくなります。

なにより「単語の意味がわからなくて、辞書で訳を探して当てはめる」というやり方は、かなりつまらない、退屈な作業になってしまいます。

ひとつの単語にもっとたくさんの訳が付いている場合は、それを全部覚えなければなりません。

例えば come という単語を辞書で引くとこんなにたくさんの意味が出てきます。

  • 来る(行く)
  • 着く
  • 達する
  • 到来する
  • 起こる
  • 心に浮かぶ などなど(まだまだありますがこのくらいにしておきます)

このすべての意味(=日本語訳)を愚直に一つ一つただ覚えるのは至難の業です。

このようにならないために「単語の本質的なコアの意味」を考えてみることが学習の助けになるのではないかと考えています。

単語の本質的なコアの意味 とは。

では本質的なコアの意味とはいったいどういうことか、です。

anxious には「心配している」という意味と、「切望している」という意味があるということは先ほどから何度か書いてきました。

日本語訳だけ見ていると、この2つの意味がどうして anxious という1つの単語で表せるのか見当が付きません。

だから単語の意味がわからなくて何度も辞書を引いてしまうのだと思います。

逆に言うと、この「2つの意味が結びつく何か」があれば、anxious という単語の正体が垣間見えるかもしれない、ということです。

単語の本質的なコアの意味と私が申し上げているのは、この「何か」のことです。

「心配している」と「切望している」という2つの意味が結びつく「何か」= anxious のコア(核心) です。

では、いったいどのようにしたら単語の「コア」がわかるのか、そこを説明していきたいと思います。

(あくまで私個人の考えです。ですが、参考にはなるはずです。)

単語のコアを見つける方法

単語のコアを見つける方法として、つぎの2つの手段が提案できます。

  • 英英辞典を引く
  • 語源を調べる

英英辞典を引いてみよう

このまま anxious という単語を例にしてやってみます。

anxious という単語を Oxford Dictionary of English(オックスフォード新英英辞典)で引いてみると、こんな感じです。

1 feeling or showing worry, nervousness, or unease about something with an uncertain outcome

2 very eager or concerned to do something or for something to happen

Oxford Dictionary of English (第2版)

つたない訳で申し訳ないのですが、この2つの意味を訳してみます。

1 結果が不確かなことについて、心配な・神経過敏な・不安な感情を抱いたり、そういった様子を現わしたりする
2 何かしらについて、熱望したり関心を抱いたりしている

この意味をご覧になっていかがでしょうか。

英和辞典では「心配している」や「切望している」というように、日本語で一言でコンパクトに意味が書かれている場合が多いのですが、英英辞典はこんなふうに「どのように」「どんなことを」「なぜ」心配したり、切望したりするのかというニュアンスまで書かれています。

なので、言葉の細かいニュアンスがわかる、というのが英英辞典を引くメリットということになります。

ここからは学習者自身のそれぞれの解釈が必要になってくる場合がありますが、話を進めていきます。

英英辞典を見てみた結果、anxious が「心配している」という意味になるのは、「結果が不確かなことについて」だということがわかります。

また、「切望している」だけではなく concerned という単語が使われているように「関心がある状態」ということも表す ということがわかります。

2つの意味が、単なる日本語訳ではなく、より具体的になってきました。

今度は、2つの意味を結び付けてみます。

  • anxious は「不確かなことについて」心配したり、神経過敏になったりする状態
  • anxious は何かしらについて「切望したり」「関心を抱いたり」する状態

ここから単語のコアが頭の中で錬成されます。

anxious はある物事について、心の中で「こうあってほしい」あるいは「こうなってほしくない」という願いがあるけど、それが「どうなるかわからない」ときに抱く感情を表す 単語なのではないか?

このひらめきが大事です。

これで今まで単なる日本語訳でしかなかった anxious の「心配している」という意味と「切望している」という意味がつながってくるのではないでしょうか。

ここでひらめいたコアを覚えておくことで、次に anxious という単語に出くわしたときに、いくつかある日本語訳だけではなく anxious という言葉が持つ1つのイメージが思い浮かぶようになってくると思います。

そうすると「ああ、こんな感じか」と頭の中で理解ができるようになるはずです。

日本語訳はそのイメージから考えていけば良いと思います。

ある単語が持つたくさんの意味を、あるだけ覚えるというのはもちろん素晴らしいことだと思います。

ただ、このようにして単語のコアを見つけて、その単語が持っているイメージをうまく頭の中で思い浮かべられるようになったほうが、その単語を「理解できている」と言えると思うのです。

英英辞典で単語の意味を見てみると、その単語のコアがわかって嬉しいのはこのような理由からです。

語源を調べてみよう

英英辞典を引くだけでも、かなり言葉の意味が具体的になるということが言えると思うのですが、もうひとつダメ押しで「語源を調べる」という方法を提案します。

すべての物事には、それが形を成すに至った起源があります。

単語にも起源があり、これを語源(etymology)と言います。

大きめの辞書であれば、単語の意味だけでなく、語源も掲載されているはずです。

例えば、上述したオックスフォード新英英辞典を見ると、こんな風に書かれています。

ORIGIN
early 17th cent.: from Latin anxius (from angere ‘to choke’) + -ous

Oxford Dictionary of English (第2版)

起源

17世紀初期: ラテン語の anxius (‘to choke’という意味の angere が由来) + -ous

ご覧のとおり、anxious という単語は 17世紀初頭ごろから使われ始めた単語で、ラテン語の axius と -ous という接尾辞が合わさって生まれた単語だということがわかります。

これが単語の「語源」と呼ばれているものです。

注目すべきは、「ラテン語の anxius から来ていて、それは ‘to choke’ という意味の angere という言葉が由来である」という部分です。

choke は 英語で「首を絞める」などの意味がある単語です。

anxious は「首を絞める」という意味を持つ言葉から生まれた単語だということがわかります。

語源通りに解釈すると「首を絞められたときの状態」という意味になります。

ここから anxious のイメージが錬成できます。

「首を絞めつけられてもがいているような心の状態」これを anxious という単語のイメージとして思い浮かべてみます。

「テストの結果がどうなるか不安」だとか「息子になんとしても、とにかく成功してほしい!」などという心の状態、少し無理があるかもしれませんが、この状態はいずれも「こうあってほしい、という思いがあるけど、今はまだどうなるかわからなくて、それが苦しい感じ」ととらえることができるのではないでしょうか。

こういうふうにして、ひとつのイメージから2つの一見関係なさそうな意味がリンクすることによって anxious という単語の正体がなんとなく見えてくるように感じる。この体験が大事な気がします。

語源は、古い事実にさかのぼるものなので、単語によってはイメージしにくいものだったりすることもありますが、単語を理解するための一つの手段としては有用です。


今回は「単語の調べ方」というテーマで、単語の意味をしっかり理解するために「英英辞典を引くこと」「語源を調べること」を提案させていただきました。

少しでも参考になれば幸いです。