inject (他)
- 注入する、注射する
- (新しいものや異質なものを)導入する
語源でイメージ
in- は前置詞と同じ「中へ」の意味です。
後半の -ject は、この字面からは想像がつかないと思うのですが、「投げる(to throw)」という意味があります。
つまりは、スローインです。
中へ何かを投げ入れることが転じて、物に何か(この単語でよく言うのは液体)を注入するという意味になったと思われます。
体の中に投げる⇒注入するという感じです。
ちょっと難しいのですが、注入するという意味が派生して、「それまではなかったものを導入する」とか、「(ユーモアや話題を)差し込む」みたいな意味もあります。この辺りは例文で見てみましょう。
例文でつかむ
体に何かを注入するという意味なので、注射のイメージが強いです。
(引用例文は原文ママ。訳文は一部または全体を改変している場合があります。英英辞典の薬品は筆者が付けました。)
The doctor injected a painkilling drug.
医師が痛み止めの薬を注射した。
Oxford Dictionary of English
次の例は文ではなく語句ですが、
inject humor into a situation.
場面にユーモアを持ち込む
ランダムハウス英和辞典
こんな風に、会話にユーモアな雰囲気を持ち込むとか、全く別の話題を差し挟むなどというときにも inject が使われます。
あとは、資金「投入」という意味でも使われます。これは日本語の字面が inject の語源とぴったりはまっています。
The new tax will inject $1.5 billion into government coffers.
新税によって国庫に15億ドルが投入される。
英和活用大事典
同じ語源で覚える
inject とおなじ -ject「投げる」と同じ語源を持つ単語をいくつかピックアップします。
覚えにくそうな -ject の意味をより思い出しやすくできると思います。
project (他)(名)
⇒「投影する」
プロジェクターの project ですね。前方に何かを投げかけるということから、「投影する」という意味が導けると思います。他にも「見積もる、計画する、放出する」などの意味があります。
それから、前を見据えて行うことと言えば、「事業計画」です。仕事上の「プロジェクト」とはこの事ですね。
object (自)(名)
⇒ 物体
これは投げるという動作よりも、あるものに向かって投げられた客体の方に注目したような意味になっています。動詞としては「反対する」という意味で使われます。
何か投げられたものが目の前に飛んでくる感じだと思います。
今一つピンとこないかも知れませんが、-ject で関連付けておくといいと思います。
他にも -ject でできている単語はたくさんあります。あと2つくらい簡単にピックアップしておきます。語源というキーワードで検索すれば他にも色々出てきます。
abject (形)
⇒ 見捨てられた、みじめな(投げ捨てられた)
reject (他)
⇒ 拒絶する(投げ返す)